【連載:医療職場環境改善】第4回 歯科医院様取り組み事例
医療現場における整理整頓の実践的なノウハウを、職場環境デザインコンサルタントの杉田さんに教えていただきます。最終回の今回は、歯科医院様の取り組み事例についての内容をご紹介します。
第2回でご紹介した「職場環境整備の簡単ステップ」を使って実際に職場環境整備に取り組まれたクレモト歯科なんば診療所様の取り組み事例です。
事務周り
小さい事務所がすっきり効率的に。すぐに仕事に取りかかれるようになりました!
技工室
困った1:物を移動したり、またいだりしないと必要な物が取り出せない
困った2:担当者しか収納場所がわからない
困った3:いつのまにか隙間に勝手に物が置かれる
ずっと困っていたことが短期間で解決しました!
カルテ室
受付横のカルテ室を整理。カルテ棚と商品在庫棚の位置を変更しただけで移動の無駄と空間の無駄が解消。空間のリセットだけで物を捨てなくても片付くことにびっくり!
カルテワゴン
カルテワゴンに必要な数の仕切りを入れて、わかりやすく整理。患者様を待たせる時間を削減。しっかり分けてラベリングしたことで、他のスタッフに「どこにある?」と聞かれることがなくなりました。
【クレモト歯科なんば診療所 院長 呉本勝隆先生のお話】
現在、医療業界は人手不足が課題になっています。その中で、一人一人の生産性をあげていくというのが大きなテーマ。その一歩として、片付けを仕組みとして取り入れ、人が物を探す時間の短縮を図っています。職場環境を整え、業務を効率化することで生産性が上がると、その分を未来のために投資していくことができるのです。
例えば、設備投資をして患者様へより質の高い治療の提供や、スタッフに対して福利厚生や給与面で還元し、良い労働条件と環境を提供することが可能になります。
さらに、全国で約7万件※という競合がひしめきあう中で、歯科業界ではデジタル化の波が押し寄せています。このような課題にいち早く対応し、実現できた歯科医院が患者様にもスタッフにも選ばれる医院になると思っています。また、医院の内装などの細かいところにラベリングによる整理整頓を行うことで、院内に清潔感が生まれ、顧客満足度にも影響してきます。当院を選んでくださった患者様、スタッフへ安心と安全を提供するために、間接的ではありますが整理整頓は大きな影響力を持つと考えています。
※厚生労働省医療施設動態調査 歯科診療所数68,404施設(令和元年12月末概数)
【クレモト歯科なんば診療所 スタッフさんの声】
幸せ収納デザインの職場環境デザインを取り入れ、出す・分ける・選ぶ・しまうの4ステップを経てから、物の位置を決めブラザーのピータッチを利用し、すべての物の場所を住所のようにラベリングしました。歯科医院はものが多いので、これまではどうしてもさがすという時間が発生していましたが、ラベリングにより入れ間違いや、新人に場所を聞かれるという時間がぐっと減りました。スマートフォンやタブレットからの操作ができるので、誰でもすぐにラベルをつくることができます。物が増えた時、場所を移動させた時など、すぐに利用しやすい環境を維持しています。ラベリングで、だれでも探しやすく新人が即戦力になりました。
【この記事を書いた人】
幸せ収納デザイン株式会社 代表取締役
一般社団法人日本収納デザイン協会 代表理事
職場環境デザインコンサルタント 杉田明子
国際航空貨物ビルドアッププランナーとして10年以上のキャリアを持つ。航空機の狭い空間をコントロールすることで身につけた空間認識力を職場・家庭にも応用。独自の収納理論に見た目の美しさだけでなく、機能的で効率的な「幸せ収納®デザイン」を考案。正確性とスピードが求められる医療現場を中心に高い評価を受け、法人や個人に収納カウンセリングや整理サービスを提供している。
幸せ収納デザイン株式会社 ■Webページはこちらから!
4回にわたる「医療職場環境改善」は、いかがでしたでしょうか?皆さまの快適な医院づくりにお役に立ちましたら幸いです。